何だか淡々と綴ろうと思うと
小説風になってしまって。
読み返すとどうも私らしくない気がしてきて。
深刻なのは苦手なんだよね。
いつものように、もう少し
気楽に書こうかなっと(^_^;)
今日のタイトルは母の味。
母は宮崎県都城市出身。
中学を出て15歳で、東京へ集団就職。
新聞記者をしていた父と出会って結婚。
15といえば、子供。
宮崎の味、お料理は食卓にあがることはなく、
というよりも、父曰く、母は料理を知らなくて
包丁の持ち方から全部教えたらしい。
そのせいなのか、父のやり方なのか。
母の食卓は今から思うと、なかなか斬新だった。
食卓にはいつもお鍋ごと料理が並んでいた。
肉じゃがも、お鍋から小皿に取りながら食べる。
鍋料理形式。
姉はいつも、
母のお味噌汁に煮干しが入ったままなのを見るたび、
「これってさ、おだし取ったら捨てるものなの。
これって普通じゃないの。」
と言って不機嫌になった。
でも母からは
「栄養になるから煮干しも食べなさい」
と言われていた。
小学生の私は
いったいどっちが本当なんだろう?と思いながらも、
お味噌汁の煮干しは美味しくて、喜んで食べていた。
そんな私に姉は疎ましそうに
「それって普通じゃないのよ」と言った。
「美味しい」
そう。母の料理は、個性的だけど美味しかった。
キッチンには、化学調味料は無く、
煮物も出汁がきいていて美味しかった。
それも父が教えたのかどうかはわからない。
そしてとにかく、鍋料理が多く
夏に汗かきながら食べていたことも覚えている。
エアコンのない部屋でね。
だからか、お友達の家に行って、
こういう食卓を見るとびっくりした。
小皿がいっぱい並んでいて、素敵だなぁと思った。
でも、母の料理は嫌いじゃなかった。
でも、小皿がいっぱい並んだ食卓は憧れだった。
19で結婚した私は
図書館でお料理本を買って来ては、
小皿がいっぱい並んだ、憧れの食卓を作るようになった。
お味噌汁は、煮干しで出汁を取ったけれど
煮干しは捨てた。
でも時々、キッチンの片隅で、
あみですくった煮干しをかじった。
少し味の抜けた煮干しは、物足りなかった。
夏にお鍋料理は作らなかった。
スーパーのチラシに載っている「旬のもの」
季節に合わせたものを作るのが楽しかった。
母の味は、
煮干しが入ったままのお味噌汁。
母の味つけは美味しくて好きだった。
母もお料理は嫌いじゃなかったと思う。
よく、食べきれないくらい作っていた。
機嫌が悪くなければ、だけど。
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